食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06260450301
タイトル 論文紹介:「2024年2月にオランダで発生した自動乳児用乳調製機(automated infant milk dispenser)の貯水部に由来するElizabethkingia anophelisによる新生児の髄膜炎」
資料日付 2024年4月4日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  Eurosurveillance(2024, 29(14):pii=2400177、doi: 10.2807/1560-7917.ES.2024.29.14.2400177)に掲載された論文「2024年2月にオランダで発生した自動乳児用乳調製機(automated infant milk dispenser)の貯水部に由来するElizabethkingia anophelisによる新生児の髄膜炎(Neonatal Elizabethkingia anophelis meningitis originating from the water reservoir of an automated infant milk dispenser, the Netherlands, February 2024)、著者BR Brandsema(University Medical Center Groningen, Department of Paediatric Infectious Diseases and Immunity, オランダ)ら」の概要は以下のとおり。
・要旨
 Elizabethkingia anophelisは、併存疾患を有する大人や新生児において高い罹患率・死亡率をもたらす多剤耐性の病原体である。著者らは、1人の新生児がE. anophelisによる髄膜炎に罹患したオランダの事例について報告する。当該細菌は家族の住居に設置していた自動乳児用乳調製機(automated infant milk dispenser)(※訳注)から採取された検体と近縁なクローンであった。著者らは、E. anophelisの発生について情報提供し、病院やその他の医療環境における分子サーベイランスを提案する。これは、自動調乳機と新生児の侵襲性感染症とを関連付ける最初の事例である。
・考察(抜粋)
 E. anophelisは、土壌や廃水から一般的に検出されるグラム陰性桿菌である。侵襲性感染は、特に新生児や免疫不全患者にしばしば重篤な疾患を引き起こす。本病原菌は髄膜炎、菌血症及び肺炎を引き起こす。また、カルバペネム系を含む複数の抗菌性物質系統に対して本質的に耐性であるため、その感染症の治療は困難である。抗菌性物質への感受性が低く、新生児、高齢者及び免疫不全者において高い病原性を示すため、治療成績はしばしば不良である。特に新生児髄膜炎は、高い死亡率(33%)、又は進行性水頭症(50%)を主な原因とする持続的な神経障害と関連する。アジアや米国では、過去10年間に病院や地域社会で同細菌による大規模な集団感染が報告されている。汚染された水道の蛇口は、E. anophelis集団感染の最も一般的な原因である。しかし、健康な人の感染率が低いことから、感染源が長期間特定されない場合がある。(中略)
 著者らは、自動調乳機の貯水部から採取した水とバイオフィルム検体からE. anophelisを検出した。患者の家庭の水道水及び未使用の自動調乳機由来の培養液からは、E. anophelisは検出されなかった。したがって、どのようにしてその貯水部が汚染されたのかは不明である。消費者の家庭から回収された自動調乳機については、今後著者らの病院で調査する予定である。これは、自動調乳機の使用に関連した新生児の侵襲性感染症の最初の報告例である。
 本研究の主な限界(limitation)は、自動調乳機の汚染源が完全には解明されていないことである。患者宅の水道では1か所の蛇口から1度だけ検体採取されたが、まだ十分には調査されていない。オランダで定常的に行われている水質監視では、E. anophelisの発生を示すものはなかった。また、オランダでは2018年から2023年の間に、E. anophelisが検出された患者検体の増加は見られていない。しかし、認識を高め、疾病発生事例の管理改善のため、著者らは当該事例を報告するに至った。
(※訳注)当該製品は、水と乳児用調製乳の両方の保管部分を備えており、乳児用に温めたミルクを調製するもの。
地域 その他
国・地方 その他
情報源(公的機関) その他
情報源(報道) Eurosurveillance(2024, 29(14):pii=2400177)
URL https://www.eurosurveillance.org/content/10.2807/1560-7917.ES.2024.29.14.2400177
(※注)食品安全関係情報データベースに関する注意事項
本データベースには、食品安全委員会が収集した食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等の情報を掲載しています。
掲載情報は、国際機関、国内外の政府機関等のホームページ上に公表された情報から収集したものですが、関係する全ての機関の情報を確認しているものではありません。また、情報内容について食品安全委員会が確認若しくは推薦しているものではありません。
掲載情報のタイトル及び概要(記事)は、食品安全委員会が和訳・要約したものであり、その和訳・要約内容について情報公開機関に対する確認は行っておりませんので、その文責は食品安全委員会にあります。
情報公表機関からの公表文書については、個別項目の欄に記載されているURLからご確認下さい。ただし、記載されているURLは情報収集時のものであり、その後変更されている可能性がありますので、ご了承下さい。